**** 平成8年度夏学期のプログラム ***

6月3日

講師:宮岡洋一氏
所属:京都大学数理解析研究所
表題:Introduction to the Theory of Rational Curves on Algebraic Varieties

内容: We discuss the following problems:
(a) Existence problem for (sufficiently many) rational curves
on a given algebraic varieties,
(b) Structure theory for varieties with sufficiently many rational curves,
(c) Bounding the number of rational curves on a variety of a certain class.
These problems naturally arise from the Minimal Model Program, as well as
from the quantum cohomology theory.


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6月10日

講師:野口潤次郎氏
所属:東京工業大学理学部
表題: Recent topics on holomorphic curves and Diophantine geometry.

内容:正則曲線の値分布論、双曲的複素多様体の理論についての最近の
成果およびディオファントス幾何への応用について論ずる。メインとなるのは、
(準)アーベル多様体内の正則曲線の代数的退化にかんする Lang(-Griffiths)
予想(1972)の解決, 双曲的射影超局面の構成(1970の小林予想の一部)、
関数体上の第2主要定理、算術的第2主要定理予想等である。


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6月17日

講師:甘利俊一氏
所属:理化学研究所
表題:情報幾何とその応用    

確率分布のつくる集合の自然な幾何学を追及していくと、双対接続のRiemann空間
という概念にゆきあたる。これが情報幾何である。この枠組みは、統計学、
情報理論、システム理論、ニューラルネットワークなど、多くの分野で新しい
強力な方法となっている。これらを概観したい。

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6月17日 17:15-18:15
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: Sergey FOMIN 氏
所属: MIT 数学教室
表題: QUANTUM SCHUBERT POLYNOMIALS

内容: We compute the Gromov-Witten invariants of the flag manifold
using a new combinatorial construction for its quantum cohomology ring.
Our construction can be viewed as the quantum deformation
of the Lascoux-Schutzenberger theory of Schubert polynomials.
 This is a joint work with S.Gelfand and A.Postnikov.

なお、この講演は青山学院大学の補助を受けて行われます。

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日時: 平成8年6月24日(月) 16:00-17:00
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 小池 正夫 氏
所属: 九州大学数理学研究科
表題: 有限体上の超幾何関数

内容:ガウスのなかでは超幾何関数はモジュラー関数や
楕円曲線、円分体という整数論の基本というべき
対象と深くつながっていた。有限体上の数論の世界
に言葉をうつして、有限体上の超幾何関数を考える
と簡単ではあるが、同じような世界がひろがっている。

Tea: 15:30-16:00  コモンル−ム

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7月1日 15:30-16:30
講師: 国田 寛 氏
所属: 九州大学数理学研究科
表題: 確率微分方程式の解の漸近的自己相似性とその熱核への応用

内容:ブラウン運動や安定な加法過程の分布は、時間及び空間のスケールの
適当な変換によって不変な性質(自己相似性)をもっているが、確率微分
方程式の解はかならずしも自己相似性を持たない。しかし解の時間及び空間の
スケールを適当に変えれば漸近的に自己相似性をもつことをしめす。
さらにその応用として、熱核の$t \to 0$のときの漸近挙動を論じたい。


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7月1日 17:00-18:00
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 日比 孝之 氏
所属: 大阪大学理学研究科
表題: 有限集合の組合せ論における Kruskal-Katona 定理の現代的解釈

内容: 単体的複体の面の個数についての組合せ論的特徴付けを与える
Kruskal-Katona 定理は,古典的な有限集合の組合せ論における基礎的な
結果である.同時に,外積代数における斉次イデアルの Hilbert 函数と
生成元の個数についての情報と考えるのも自然である.本講では,単項式
イデアルの極小自由分解の枠組みで Kruskal-Katona 定理を拡張し,
その現代的な特質を垣間見る. 

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日時: 平成8年7月8日(月) 16:00-17:00
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 大槻 知忠 氏
所属: 東京工業大学情報理工学研究科
表題: Finite type invariants of integral homology 3-spheres

内容:結び目の有限型不変量(Vassiliev invariant)は
「結び目の交点のいれかえ」を用いて定義される。これと同様に、
整ホモロジー球面の有限型不変量を「デーン手術」を用いて定義し、
この不変量のつくる $d$次の filtered vector space の双対が
$d/3$次のコード図の空間に同型であることを示す。

Tea: 15:30-16:00  コモンル−ム


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日時: 平成8年7月15日(月) 16:00-17:00
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 青木 貴史 氏
所属: 近畿大学理工学部
表題: 特異摂動の代数解析

内容:Schr\"odinger 方程式のような微小なパラメータを持つ微分方程式は
適当な意味でそのパラメータのベキで展開される形式解を持つことが多い。
このような形式解を利用してもとの方程式の大域的な解析を行うことができる。
Fuchs 型常微分方程式および Painlev\'e 方程式についてこの手法による
解析で得られた結果および研究の現状を紹介する。(河合隆裕氏、竹井義次氏
(京大数理研)との共同研究)

Tea: 15:30-16:00  コモンル−ム






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**** 数理科学講演会 ****

日時: 平成8年11月22日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 小木曾 啓示 氏
所属: 東京大学大学院数理科学研究科
表題: On fibered Calabi-Yau threefolds

内容: 3次元カラビーヤウ多様体に付随するファイバー空間構造について、
第2チャーン類のはたす役割にウエイトをおいてお話したいと思います。

Tea Time: 17:30- コモンル−ム

談話会は月1回の開催となりましたが、新たに数理科学講演会を
開催します。ここでは主として新任の方に講演をしていただきます。
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**** 数理科学講演会 ****

日時: 平成8年11月29日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 泉 正己 氏
所属: 東京大学大学院数理科学研究科
表題: The infinite tensor product action of $SU_q(2)$ and
the Poisson boundary of some non-commutative random walk.

内容: Unlike the classical case, it is known that the infinite tensor
product action of $SU_q(2)$ on the Powers factor is not minimal; the relative
commutant of the fixed point algebra is not trivial. It turns out that the
relative commutant is described in terms of the fixed point set of some
non-commutative Markov operator on the "l^\infty"-space of the dual of
$SU_q(2)$. This is completely parallel to the description of the Poisson
boundary of the random walks on discrete groups in terms of harmonic
functions.

Tea Time: 17:30- コモンル−ム

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**** 数理科学講演会 ****

日時: 平成8年12月6日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 柳田 英二 氏
所属: 東京大学大学院数理科学研究科
表題: 非線形放物型方程式における臨界指数

内容: べき乗の形の非線形項を含む偏微分方程式においては,指数がある値を越
えると解の構造が大きく変わることがある.この値を臨界指数という.本講演では1
次元放物型方程式に対し,解の符号変化の回数に依存した臨界指数について解説する.

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第2回 数理ファイナンス公開講座の おしらせ


講師: W.M. McEneaney 氏 (North Carolina State University)

題目: A Robust Control Framework for Option Pricing

日時: 12月10日 (火曜日) 17:00 -- 18:30

場所: 東京大学 数理科学研究科 新棟 1階 117号室 (駒場)



主催: 東京大学大学院数理科学研究科
後援: アメリカンファミリー生命保険株式会社

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**** 10月の談話会 ****

日時: 平成8年10月18日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 小林 昭七 氏
所属: カリフォルニア大学 バークレイ校
表題: What is hyperbolic complex analysis?

今月から談話会の曜日が変更になり、月1回の開催となります。
講師の方には、広い視点からのお話をお願いしていますので、
多くの方々のご参加を歓迎致します。なお談話会終了後、2階
コモンルームにて懇親会(小ワインパーティー)を企画しています。
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**** 11月の談話会 ****

日時: 平成8年11月8日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 山口 昌哉 氏
所属: 龍谷大学 理工学部
表題: George Boole の生涯と複雑系

内容: 20世紀後半は日常生活にまでコンピューター文明が影響をあたえている。
その論理回路にはブール代数が用いられていることまでは、誰もが知っている。
しかし Boole の生涯について知る人があまりにも少ないのでそれをその仕事
とともに紹介したい。関連して、複雑系についての私見を述べたい。

懇親会: 講演終了後、2階コモンル−ムにて懇親会を予定しております。多くの方々の
出席を歓迎致します。

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**** 12月の談話会 ****

日時: 平成8年12月20日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)123号室
講師: 金田 康正 氏
所属: 東京大学大型計算機センター
表題: 計算機による円周率計算 - 計算の歴史と高速計算法 -

内容: 人類が既知とした円周率の値は、電子式計算機の発明、さらにその
性能向上とともに、1949年の2000桁余りから1995年10月の64億4245万桁まで既知とな
った。特に1980年代当初に既知であった100万桁は、1989年末には10億桁以上と、そ
の10年間の間に10進で3桁以上の延びを示している。科学史上希と考えられるこの現
象は、(1)能率の良い新しい計算方式の発見・発明、(2)高精度桁数演算ルーチンの計
算機による実現、(3)スーパーコンピューターの一般化、(4)そして競争の4つの要員
が関係して生じたと言える。本講演ではこれらの点を中心に、最近の計算機による円
周率計算について話題提供を行う。

Tea Time: 17:30- コモンル−ム

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11月6日(火)

F. Hirzebruch教授講演会

Linear arrangements, algebraic surfaces, and
hypergeometric functions

16:30 -- 17:30
数理科学研究科棟(駒場)123号室

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**** 数理科学講演会 ****

日時: 平成9年1月10日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 長谷川 立 氏
所属: 東京大学大学院数理科学研究科
表題: λ計算の組合せ論的数え上げモデル

内容: λ計算は関数型プログラミング言語の基礎理論として知られています。
ここではλ計算を形式的冪級数によって解釈する話をします。具体的に形式的
冪級数を計算する方法として、解析関手の理論を経由して数え上げ組合せ論の
アイデアを使う手法について述べたいと思います。

Tea Time: 17:30- コモンル−ム

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**** 1月の談話会 ****

日時: 平成9年1月24日(金) 16:30-17:30
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 藤田 宏 氏
所属: 明治大学理工学部数学教室
表題: 自伝的な数理科学ノート -- やや数学的に--

内容: 受験生は与えられた問題を解くことに合格をかける.学者は自ら選んだ
問題を追求して真理にせまる.数理科学においても,あるいは,数理科学にお
いてこそ,評価される研究の成否は``良い問題"と取り組むかどうかにある.
そうした``良い問題''との出会いが実現するためには,時代の動向,師や仲間
との良縁,運の良さ,さらには個人的勤勉さなどの様々な要因が関連するので
あろうが,永続的には研究者のもち続ける問題意識が効く.
 この講演では,ささやかながら,私が数理科学を業として半世紀を生きた間
に取り組んだ問題の変遷(たとえば,ナビエ・ストークス方程式の初期値問題
から非線形放物型方程式の爆発問題へ)を辿りながら,自らを動機づけた問題
意識を申し述べ,これからの時代を担われる若い方々の御参考にしたいと願っ
ている.
 なお,`やや数学的に'という副題は(式を全く出さないで記した)同じ題名
のエッセー(雑誌`数学'49巻1号に掲載予定)と比較してのことで,全く非
専門的に聞いて頂けるお話しのつもりである.


懇親会: 講演終了後、2階コモンル−ムにて留学生交歓会を兼ねた懇親会を予定
しております。多くの方々の出席を歓迎致します。


**** 2月の談話会 ****

日時: 平成9年2月14日(金) 15:00-16:00
場所: 東京大学大学院数理科学研究科棟(駒場)117号室
講師: 柏原 正樹 氏
所属: 京都大学数理解析研究所
表題: Crystal bases for quantum affine algebras

内容: The crystal base is introduced for integrable modules of
quantum enveloping algebras. It is well-understood for the
integrable highest weight modules.
For quantum affine algebras, there is another important category
of modules: finite-dimensional integrable modules. In this case,
we have less knowledge, not only on its crystal structure but even
on its characters. In this talk, after a short introduction to
crystal bases, we discuss crystal structure of finite-dimensional
integrable modules of quantum affine algebras.


注意: 時間が変則的ですのでお気をつけ下さい。

Tea Time: 16:00- コモンル−ム