数理News 2005-1

東京大学大学院数理科学研究科     8月1日発行

編集: 広報委員会

数理ニュースへの投稿先: surinews@faculty.ms.u-tokyo.ac.jp

数理ニュースホームページ: http://faculty.ms.u-tokyo.ac.jp/~surinews/

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研究科長に就任して

         大学院数理科学研究科長   桂 利行

 本年4月に研究科長に就任して4ヶ月が経過しました。薩摩前研究科長の仕事を引き継ぎ、数理科学の発展のために最大限の努力をしていきたいと思っております。

 就任早々、数理科学研究科にすばらしいプレゼントがありました。セミナーハウスの寄贈です。朝日新聞社と関係する財団法人森林文化協会が所有していた「朝日の森ロッジ」を東京大学が譲り受け、改修して「東京大学玉原国際セミナーハウス」を設立し、数理科学研究科が責任部局として運営することになったのです。場所は群馬県沼田市の山中。床面積約1400平方メートルにおよぶ木造のロッジ。戦後最大の木造建築といわれるだけあって、太い唐松の支柱をふんだんに使ったりっぱな建物です。まわりの環境は輪をかけてすばらしい。ぶなの林と湿原。水芭蕉、ヒオウギアヤメ、キンコウカ、ミズギク等々、玉原に生育する種子植物は551種におよぶとか。小規模な研究会とかテーマをきめた勉強会にぴったりなところです。7月8日には、小宮山総長、星野沼田市長、高橋京都大学数理解析研究所長をはじめ約100名の列席者を迎え、開所式を行いました。このセミナーハウスが数理科学教育・研究の1つのメッカとなるよう育てたいものです。8月からは数理科学研究科の建物の増築工事も始まります。第III期棟として予定されていた建物の部分的な建設で、図書室の西側広場に建てられます。これによって、図書室の書籍・製本雑誌棚スペースの狭隘が解消される見込み。また、ITスタジオなどを利用したデジタルコンテンツ充実の礎が確立できそうです。

 数理科学研究科は施設面では順調に整備されていますが、それを取り巻く環境は厳しさを増しています。国立大学法人化や21世紀COEプログラムなど、短期間で成果を求められる制度が次々に打ち出されており、数学の分野もそれらの制度と適合していくことが求められます。しかし、どのような状況にあっても、数理科学研究科の使命は、教育にあっては「数学・数理科学の諸分野において世界の先頭に立って活躍する人材をおくりだすこと、数理科学の素養を身につけ社会の広い領域で新しい時代を担う人材を育成すること」であり、研究にあっては「世界第1級の研究成果をあげること」です。時代に流されることなく、数理科学研究科は自らの意思で最善の選択を行い、本来の使命を果たしていくことが肝要であろうと考えています。数理科学研究科と東京大学玉原国際セミナーハウスが数理科学の知のさらなる発信基地となって、社会で重要な役割を担う人材や世界に羽ばたく研究者が数多く育っていくことを期待しています。

 

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人事ニュース

(※平成17年2月21日以降の異動一覧です。)

教員

☆転出
異動年月日 氏名 新職名 旧職名等
17.4.1 薩摩 順吉 青山学院大学理工学部 教授 大学院数理科学研究科 教授

職員

☆転入
異動年月日 氏名 新職名 旧職名等
17.4.1 寺岡 仁 教養学部等総務課数理科学総務係 経済学研究科等庶務係
17.4.1 関 美登里 教養学部等総務課数理科学総務係  
☆転出
異動年月日 氏名 新職名 旧職名等
17.4.1 福田 明子
医学部附属病院医事課外来総括係主任
教養学部等総務課数理科学総務係
17.5.31 吉原 珠恵 退 職 教養学部等総務課数理科学総務係
17.6.30 冨岡 幸恵 退 職 教養学部等総務課数理科学総務係
 

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新任紹介(教員)

  Jin Cheng 客員教授

 I am CHENG Jin from Fudan University at Shanghai , China . From January 1st, 2005 , I started to take a visiting professor position in School of Mathematical Sciences , the University of Tokyo and I will be in Japan until September 30th, 2005 .
 It has been about ten years since I first came to the University of Tokyo by the supports from Monbusho fellowship in 1996.
 I stayed in Tokyo for more than two years and worked in Gunma University for two years as an associate professor. I really enjoy my stay in Japan. The joint researches with Prof. M. Yamamoto and other Japanese researchers are so nice and productive. Our researches are well recognized by the researchers in other countries.
  Tokyo University is one of the best universities around the world. The Department of Mathematical Sciences has provided the nice environment for the visitors and the library is so nice where we can find almost all necessary references. I appreciate it very much.
 In my impression, Japan is a beautiful country and most of Japanese are very kind. From my Japanese friends, I know more about Japanese culture and traditions. It is so wonderful that the Japanese culture and traditions and Chinese culture and traditions have more common points. We can understand each other so easily. I like Tokyo although it is a crowded city and the price is high. Almost every year I spend at some times in Tokyo or Sapporo and work with my cooperators.


新任紹介(職員)

  寺岡 仁 職員

 4月1日付けで経済学研究科等庶務係より配置換えで当研究科総務係に配属となりました寺岡仁です。
 経理系の業務は初めてであり、慣れるまで皆様にご迷惑をかけてしまうこともあるかと思いますが、一日も早く経理業務・当研究科の雰囲気に慣れ、皆様のお役に立てるよう努力してまいりますので、ご指導・ご鞭撻の程、よろしく御願いいたします。


  関 美登里 事務補佐員

 4月1日付で数理科学研究科主任室Tに採用されました関 美登里と申します。主にCOEや宿泊施設の予約等を担当しております。
 まだわからない事ばかりで皆様にはご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いいたします。

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東京大学玉原国際セミナーハウス 

 2005年7月8日、東京大学玉原国際セミナーハウスの開所式が挙行されました。数理科学研究科が管理運営にあたるセミナーハウスで、英語名はTambara Institute of Mathematical Sciencesです。

 当日は、小宮山総長をはじめとする大学関係者20人、星野沼田市長をはじめとする地元関係者30名、数理スタッフおよび学生25名、その他報道関係者など合わせて、約100名の出席がありました。幸い天気も持ちこたえてくれて、出席いただいた方々から玉原国際セミナーハウスの施設、周辺環境についての賛辞をいただき、またこれからの活動についての期待の言葉もいただきました。

 当日のパンフレットにもあり、数理科学研究科内では周知のことですが、玉原国際セミナーハウス開設にいたるまでの経緯は次のようなものです。

 2000年頃から、数理科学の教育研究において、長期集中セミナーの必要性とそれを行う場としてのセミナーハウスの設立を研究科として考えることになりました。このようなセミナーハウスは、国外には各国にあり、特にドイツのオーベルヴォルファッハにあるものが有名です。国外にあるセミナーハウスでの教育研究の恩恵を受けてきた当研究科の教員から、セミナーハウスの設立を希望する声が上がったのでした。

 数理科学研究科ではこのようなセミナーハウスの設立を東京大学内の各方面に働きかけました。

 2003年には数理科学研究科は21世紀COE教育研究拠点の1つに選ばれました。

 2004年4月から東京大学は国立大学法人となりました。2004年秋に数理科学研究科にとって待ち望んでいたセミナーハウス設立の可能性が広がってきました。

 東京大学が財団法人「森林文化協会」から玉原高原にある「朝日の森ロッジ」の譲渡を受け、数理科学研究科がセミナーハウスとして利用するとともに東京大学の施設として管理運営にあたるという提案をいただいたのでした。

  数理科学研究科では、2004年10月16日に現地を調査し、その結果を踏まえて数理科学の長期集中セミナーの場としての適否を検討し、またセミナーハウスとして健全な運営の可能性を探りました。この結果、2004年12月には、数理科学研究科として、『東京大学が「朝日の森ロッジ」の譲渡を受け、「東京大学玉原国際セミナーハウスを設立する。東京大学全学の支援のもとでセミナーハウスとして使用するために必要な改修をおこない、数理科学研究科がこれを管理運営する』ことを東京大学役員会に要望することを決定しました。

 数理科学研究科のこの提案は東京大学役員会に理解していただき、東京大学としての譲渡の受け入れと改修についての全学の支援が約束されました。

 2005年4月に「朝日の森ロッジ」は、東京大学に譲渡され、5月、6月には「東京大学玉原国際セミナーハウス」として改修工事を行いました。

 こうして、2005年7月8日に、「東京大学玉原国際セミナーハウス」は開所式を迎えたのです。 開所式にいたるまでには、森林文化協会、林野庁森林管理署、沼田市、東京大学施設部など多くの皆様のご支援をいただきました。この場で再びお礼を申し上げます。

 開所後、2005年度にはすでに多くの数理科学集中セミナーが企画されています。この「玉原国際セミナーハウス」はTambara Institute of Mathematical Sciencesとして国際的にも数理科学の情報発信の拠点となっていきます。また、東京大学の教育研究施設、厚生施設としての役割も担うことになります。さらに、「高校生のための現代数学講座」も開催され、東京大学、とくに大学院数理科学研究科の社会連携の拠点としての役割も担うことになります。

 今後も「東京大学玉原国際セミナーハウス」へのご支援をお願いいたします。

  
   セミナーハウス外景                 食 堂                     セミナー室

<開所式の様子>

    

 

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数理トピックス

●平成17年3月23日(水)談話会にて平成17年3月31日に退職された薩摩 順吉 前数理科学研究科長の講義が行われました

 

同日、駒場キャンパス内のファカルティハウスにて送別会が盛大に行なわれました。

●平成 17年3月24日(木)
  修士課程・博士課程学位記伝達式が数理科学研究科大講義室で行なわれました。

  

●平成 17年4月5日(火)
  修士課程・博士課程入学式・進学式が大講義室で行われ、桂 利行 研究科長、宮岡 洋一 専攻長、来賓として 青山学院大学理工学部 薩摩 順吉 教授(前 数理科学研究科長)より祝辞を賜りました。

●平成 17年4月28日(木)コモンルームにて春の懇親会が行われました。

 

●平成 17年6月9日(木)教職員・学生が参加して環境整備が行われました

●平成 17年7月20日(水)コモンルームにて夏の懇親会が行われました。

       

<賞>

「平成 16年度 第2回 東京大学総長賞」に大学数理科学研究科から博士課程 2年 戸田 幸伸さんが選出され平成17年3月24日(木)に授与式が行われました。

<賞>

2005年度日本数学会春季賞 受賞者
辻 雄  助教授
業績題目: p 進 Hodge 理論
p進体上定義された代数多様体におけるHodge理論の類似であるp進Hodge理論について研究している.最近は多様体上でのvariation(=p進エタール層),数論的基本群に関するp進Hodge理論とそのp進L関数,Hasse-Weil L関数の特殊値への応用について研究している.   

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編集後記

 舟木教授より広報委員長を引き継ぎました.数理ホームページの更なる充実に 努めたいと思います. 皆様からのご意見や情報の提供をお待ちしています.
  4月よりアクチュアリー・統計プログラムが始まりましたが,先生方が学生から質問を受けることも多いと聞きます.
数理ホームページから,またはhttp://www.ms.u-tokyo.ac.jp/~nakahiro/actuarialmath/afs6.htm に情報がございますので,よろしくお願いいたします.(吉田)

広報委員会
委員 吉田 朋広
数理ニュース編集局 平山 千陽

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