数理News 2009-1

東京大学大学院数理科学研究科     2009930日発行

編集: 広報委員会

数理ニュースへの投稿先: surinews@faculty.ms.u-tokyo.ac.jp

数理ニュースホームページ: http://faculty.ms.u-tokyo.ac.jp/~surinews/

目次


   

私の最近の研究

          研 究 科 長   大島 利雄

 一年半前の数理ニュースで組み合わせ論的な予想に触れました. 今回はそれに関連する私の研究の経緯を書いてみます. 一昨年5月にある多変数の特殊関数の大域的性質を調べていて, 4階の常微分方程式が現れました. それがSimpsonの分類したeven familyにあたることを原岡氏の本で知り, 接続係数がガンマ関数の積の商で具体的に表せるのではないかと予想しました. 原岡氏にその計算を半年ほど考えてもらいましたが, 従来の積分表示を用いる方法では複雑で難しく, お手上げということになりました. 各ガンマ関数の項の意味を説明する別のアイデアから私の研究がスタートし, 11月にはまず微分作用素環の計算をするために数式処理Risa-Asirのライブラリを作り, その例を含む2, 3の計算をすると予想を裏付ける結果となりました. 「各項が説明できるものでつきる」ということは「組み合わせ論的問題」になることがわかり, 最初はその楽観的過ぎるように思える予想をおそるおそる手で確かめました. いくつかの例から正しそうなことを見て, `ェックしながら接続係数を求めるプログラム okubo Cで作りました. その予想を数理ニュースに書きましたが, そのころには okubo 40階以下の既約rigid400万個以上の例の計算をしています. 三町氏によると,従来から知られていたのはnFn-1という一般超幾何のみだったようです. 1階のシステムの場合は, Katzmiddle convolution (mc)を使った方程式の構成の結果があることを知りました. 私の構成とは異なるのですが, mcを使うアルゴリズムは組み合わせ論的に扱いやすく, それを元にすれば予想が分かるはず,という考えに至り, 実際に昨年4月頃解くことができました. rigidとは, 方程式あるいは関数が, 特異点の近くでの局所的性質のみで大域的に決まってしまう, という場合を言い, 一般にはその間のギャップを表すモジュライ空間が, アクセサリ・パラメータとして現れます. 局所性質の型は自然数の分割の組で表せますが(局所モノドロミー行列のJordan標準形の型に対応), モジュライ空間の次元を決めると mc により有限個の型に帰着できることも分かりました. Painleve VI方程式は, 特異点4つの2Fuchs型方程式のモノドロミー保存変形方程式として現れますが, 原岡-Filipukの結果と合わせると,モジュライ空間の次元(常に偶数)が2の場合の変形方程式は全てPainleve VIになることが分かり, Painleve方程式の普遍性を認識しました. 4次元の場合は,同様なものが1つでなくて3種現れ, 坂井氏が最近その3つの変形方程式の研究をしています. 昨年8月に玉原で主催した集会や10月のEncounter with Mathematicsでは, 上の分類と接続公式を話しましたが, Crawley-Boevey氏やBoalch氏などが, quiverの表現という別の観点からKac-Moodyルート系を用いて関連する仕事をしていることを知りました. 特に10月の会では京都の山川氏がこの観点で研究をしていることを知り, 常微分方程式の研究者との交流を深める必要があると考えました. 今年2月初めの京大数理研の常微分方程式の集会の際の懇親会で, 私の前に座った野海氏に「mc とはfractionalな微分のことですね」と言われました. 認識はしていたものの端的なこの言葉がきっかけとなり, 目から鱗の思いで,その後の2週間で研究が急進展しました. 微分作用素の局所化した擬微分作用素を考えるのですが, 代数性を保つため, 制限された局所化に限ることがポイントでした.これにより解の積分表示, 級数表示, 隣接関係式, rigidな方程式の具体的構成, 合流, 多変数化などが統一して扱えることになり, それを220日からの熊本の研究会で話しました. この一連の研究は第1ステップで, 第2ステップが見えてきたのもこのころです. この研究会では, 山川氏や博士論文で不確定の場合を扱った川上氏に解説講演をお願いしました. rigidな場合の方程式の存在は, N.Katzが未解決問題として挙げていたことを後に知りました. rigidな場合の接続係数の証明には, パラメータがある無限方向に飛んでいくと, その係数が1に近づくことを使い, それはGauss和公式のGaussの元々の証明と同じ考えです(このことは,関口次郎氏に教えていただきました). 3月初め,このことの別証明を考えていたらミステリアスなKummer関係式の解釈にぶつかりました. 極限で1になることを積分の変形をしていて示そうとしたら, 計算では極限を取らなくても常に1になってまいました. 最初はそんなことが正しいとは信じられなかったので, 間違いかと思って計算や例をチェックしたのですが, 現実には正しいことが分かりました. これにより, 以前は特異点が3点でrigidな場合のみの公式だったものが, rigidとは限らず, 特異点の個数が3点以上の場合でも良いことになりました.与えられた局所モノドロミーをもつ一般の単独Fuchs型方程式の構成問題も, 楽観的過ぎるように思われるある組み合わせ論的命題が成り立てば出来ることは分かっていました. 5月の連休中に時間が取れたので, Cでプログラムを書いてチェックすると正しそうなことが分かりました. それが証明に考えを集中するきっかけとなり, 510日ころ, 風呂に入っていてアイデアが浮かびました. 複数のYoung図形の組からあるYoung図形を作ったり, それの転置を考えたりしてある不等式を示す問題です. 湯船に沈んでいくと水面が連続的に上がります. Young図形の箱の個数とは不定積分から計算できる面積のこと. そう考えると連続化でき, Young図形の転置とは逆関数を取ること, 積分ではLebesgue式とRiemann式の対応, と連想でき,最終的には微分や逆関数などを使った証明になりました. これで各型に対応するuniversal modelというべきものの存在と構成が分かり, アクセサリ・パラメータがどう入るかも具体的に分かりました. この部分が不明確でためらっていたのですが, やっとスッキリしたので論文にまとめる気持ちになりました.6月に主催した玉原での研究会で結果を話しましたが, 他の出席者の講演も2月の熊本での研究会から大いに進展し,半年前の常識は過去のもの, というような勢いです.全ての証明と多くの例を含む論文原稿をこのころ書きました. 94ページで比較的長いですが, 上の重要な2つのキーのLemmaの証明は共に1ページ弱で, 教養の学生にも分かるものです. ただ, 前者の積分の値の計算は, 接続問題の専門家でもゥたことがないようで,Gaussの超幾何の場合でも新しいようです.3-5月は近郊の山の草木の芽吹きや花が美しく, 時間を見つけて週末には家内とよく出かけていました. 私の場合,数学研究のよいアイデアが浮かぶのは, 気軽に家内と山を歩いているときや通勤途中の電車の中などです. 余裕を持って少し別の観点から見ることができるからかもしれません. 現在は全体の見通しが良くなり, 関連した興味深い問題が多く考えられますが, 7月ころから忙しくなり, 書いた論文原稿を投稿可能な形に仕上げて, さらに第2ステップへと進みたいのですが, この夏はその時間的・精神的余裕ができませんでした. 再び復帰して頑張らなくては, と思っています.

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人事ニュース

平成20331日以降の異動一覧です。)

教員

転入

異動年月日

氏名

新職名

旧職名等

21.4.1

緒方 芳子

大学院数理科学研究科准教授

九州大学大学院数理学研究院助教

21.41

志賀 徳造

大学院数理科学研究科特任教授

東京工業大学名誉教授

21.4.10

ポンジュ ラファエル

大学院数理科学研究科特任准教授

トロント大学数学科助教

21.4.1

鎌谷 研吾

大学院数理科学研究科准教授

大学院数理科学研究科学振特別研究員

21.4.1

阿部 紀行

大学院数理科学研究科特任助教

大学院数理科学研究科学振特別研究員

21.4.1

奈良 光紀

大学院数理科学研究科特任助教

大学院数理科学研究科特別研究員

21.4.1

松田 能文

大学院数理科学研究科特任助教

大学院数理科学研究科学振特別研究員

21.5.16

伊東 一文

大学院数理科学研究科特任助教

ノースカロライナ州立大学教授

21.6.1

三角 淳

大学院数理科学研究科特任助教

大学院数理科学研究科特任研究員

21.6.1

中岡 宏行

大学院数理科学研究科特任助教

大学院数理科学研究特任研究員

21.8.4

ガイサー トーマス

大学院数理科学研究科教授

南カリフォルニア大学教授

 

転出

異動年月日

氏名

新職名

旧職名等

21.3.31

桂 利行

法政大学教授

大学院数理科学研究科教授

21.3.31

菊地 文雄

名誉教授

大学院数理科学研究科教授

21.3.31

神保 道夫

立教大学教授

大学院数理科学研究科教授

21.3.31

戸松 玲治

東京理科大学理学部数学科専任講師

大学院数理科学研究科特任助教

21.3.31

三浦 英之

大阪大学大学院理学研究科助教

大学院数理科学研究科特任助教

 

 

 

 

 

職員

転入

異動年月日

氏名

新職名

旧職名等

21.3.1

白石 喜美子

教養学部等総務課数理科学総務係

 

21.4.1

矢冨 幸枝

教養学部等総務課副課長

教育学部・教育学研究科主査

21.4.1

三上 福子

教養学部等教務課数理科学総務係

 

21.3.16

中村 六郎

教養学部等総務課数理科学用度係

 

21.4.16

越智 幸子

教養学部等総務課数理科学総務係

 

21.7.1

田村 啓子

教養学部等数理科学総務係長

教養学部等教務課留学生係主任

転出

異動年月日

氏名

新職名

旧職名等

21.2.28

唐澤 紀子

退職

教養学部等総務課数理科学総務係

21.3.31

相川 文子

退職

教養学部等総務課数理科学図書係

21.3.31

鍛冶澤 麻里

退職

教養学部等教務課数理科学総務係

21.3.31

小林 幸恵

退職

教養学部等総務数理科学総務係

21.3.31

鈴木 昭

退職

教養学部等総務課数理科学用度係

21.4.1

大木 幸夫

理学系研究科等副事務長

教養学部等総務課数理科学総務副課長

21.4.30

宮川 五月

退職

教養学部等総務課数理科学総務係

21.5.31

寺岡 仁

総務・法務系総務グループ総務チーム 主任

教養学部等総務課数理科学総務係

21.6.30

久保 準一

人事・労務系人事企画グループ人事業務推進チーム

教養学部等総務課数理科学教務係

 

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新任紹介(教員)

:news2009-1.files:leaf3.jpg 緒方 芳子 准教授

今年の4月に、東大数理に赴任しました。東大数理には、これまでに、ポスドクとして3年ほどお世話になっていました。その後九州大学数理学研究院で助教として一年半ほど働かせて頂いて、今回こちらに戻ってきました。まだ学生気分が抜けない中いろいろと目新しいこが多く、もの珍しく思っている一方で、新しい業務に少し戸惑ってもいます。私の専門は数理物理で、もう少し詳しく言うと量子系の熱平衡・非平衡統計力学の研究をしています。統計力学は、自由度の非常に大きな物理系について、その普遍的な性質を探るものです。量子系は量子力学で記述される物理系のことで、非可換な代数によって表現されるという特徴があります。この非可換性は解析を難しくする点であり同時に面白いところでもあります。どの研究分野でもそうなのだと思いますが、物理学を出発点とし数学を用いて解析をする、数理物理では特に、他の分野で知られている結果が研究に役にたつ可能性が大きいように思います。東大数理の色んな分野の先生や学生さんから多くのことを勉強させて頂きたいな、と思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 志賀 徳造 特任教授

私は今年の4月から寄付講座(BNPパリバ証券)の特任教授として勤務しております。

昨年3月に東京工業大学を定年退職するまで、確率論とりわけ確率解析を統計物理や数理生物に応用することを目指し研究してきましたが、この度は数理ファイナンスの勉強を始めることになりました。昨年のリーマンショックは世界全体の経済を震撼させ、そこで金融工学の果たした役割の功罪も議論されています。しかし、このように激動する経済社会の中では、多様なリスクの正確な評価を目指す数学(数理ファイナンス)は大変重要であると考えています。本寄付講座では筬島靖文客員准教授(BNPパリバ証券)による数理ファイナンスの講義(統計財務保険特論P)を開講しています。ファイナンスの実務の中で数学が果たす重要な役割を理解させてくれる、数学専攻の学生にとって魅力的な講義だと思います。東大数理の大学院から金融関係への就職を目指す学生諸君には、この数理ファイナンスの講義を是非受講することをお勧めします。その際、基礎になる確率解析や数理ファイナンスの理解を深めるために、私が皆さんのお役に立てれば大変嬉しく思います


:news2009-1.files:leaf3.jpg ポンジュ ラファエル 特任准教授

My main research interests are noncommutative geometry, pseudodifferential operators, differential geometry, several complex variables, and mathematical physics. Noncommutative geometry is a very vast subject nowadays. I am mostly interested in its connection with index theory and its geometric applications.  Few years ago I found some connections with the program of Fefferman's in conformal and CR geometry. I pursuing actively the research in this direction. Another part of my research in noncommutative geometry is motivated by the fractional quantum Hall effect.  Before coming to the University of Tokyo I was an assistant professor at the University of Toronto (Canada). I still have two graduate students there. I grew up and did all my studies in Paris. I obtained my PhD (doctorat) from University Paris 11 (Orsay) under the supervision of Prof. Alain Connes. This is my third time at the University of Tokyo. The previous time, I was here was as a JSPS postdoctoral fellow in Spring-Summer 2006. During the Summer Semester I taught a graduate course "Introduction to Noncommutative Geometry. I". I will teach the second part of this course in Winter. I am writing up lecture notes for these courses. Hopefully they will make it into a book. Cheers!


:news2009-1.files:leaf3.jpg 鎌谷 研吾 特任助教

200941日からParibas寄付講座の特任助教として着任致しました。マルコフ過程のエルゴード性の統計科学への応用や、ベイズ統計学にあらわれるマルコフ過程の分布収束等を研究しています。最近は特に後者の研究や、さらに応用に踏み込んで生命科学への適用を模索しています。慣れ親しんだ駒場は図書館が充実し、緑も多くて研究環境として申し分ありません。他の研究機関へのアクセスも良く、自転車で少し走れば本郷、早稲田や医科研に行けます。また駒場エリアは美味しいパン屋の多い地区でもあります。パン屋のリサーチを進めつつ、数理科学の研究に専心します。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 阿部 紀行 特任助教

今年度の四月から特任助教としてお世話になることになりました。昨年度まで博士課程の学生としてこちらに在学していました。居室も昨年度まで所属していた部屋の隣で、慣れた場所といった感じです。しかし、演習等、慣れない点も少なくはありません。昔受けていた演習を行う方になったというのは、少し不思議な感じです。主に実半単純Lie群の表現論を研究していますが、その周辺の表現論にも興味があります。こちらには、学生時代にお世話になった松本先生の他、大島先生、小林先生、関口先生といった分野の専門家が数多くおり、研究環境としては最高です。少しでも面白いことが出来れば思います。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 奈良 光紀 特任助教

20094月より、特任助教(GCOE)として着任いたしました。 昨年度までは、本研究科にてGCOE特任研究員をしておりました。 大きく環境が変わったわけではありませんが、数学演習などを通じて学生と触れる機会も増え、今までに無い刺激を感じています。 学部では機械工学を学び、その後3年間は民間企業にてソフトウェア開発に携わりました。企業を退職して、東京工業大学大学院情報理工学研究科に入学し、修士課程では計算機の応用技術を学び、博士後期課程から数学に転向しました。 学位取得後は研究を続けながら、非常勤講師としてWordExcelの使い方を教えたり、微積分を教えたり、紆余曲折を経て現在に至ります。 専門は、主として放物型の偏微分方程式です。特に、平均曲率流や反応拡散型方程式における解の時間無限大での漸近挙動、進行波や定常解の安定性解析をしております。最近は特異極限問題などにも取り組んでいます。特任助教として採用していただいたこの機会を生かして、研究と教育に力を注いで行きたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 松田 能文 特任助教

200941日付けで本研究科に特任助教として着任いたしました。昨年度までも学生・ポスドクとして数理棟に8年間通っておりましたが、5月から新築のGCOEアネックス棟へ移り気持ちも新たにしております。アネックス棟での生活は夕方以降に隣接する駐車場が自動車部の活動でにぎやかになる以外は非常に快適です。専門は位相幾何で、空間への群の作用について力学系的な側面を中心に研究しています。特に、与えられた空間にどのような群が作用するかという問題に興味があります。この問題は、空間の同相群という同相写像のなす無限次元の群への群準同型を扱うものであり、円周などの単純な空間であっても多くの問題が残されています。円周の同相群はトンプソン群という線型群でない部分群を持つなど有限次元リー群に無い性質を持っています。現在は、円周の実解析微分同相群と有限次元リー群との比較が主な研究テーマです。教育活動では、学部1年生の演習を担当しております。昨年度まで授業を担当したことが無かったので、教育面でも数学的にも気づかされる部分が多いです。100人近い学生に対する演習の進め方について試行錯誤が続きそうです。普段はGCOEアネックス棟におりますが、数理棟などでお会いする際はどうぞよろしくお願いいたします。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 三角 淳 特任助教

数理科学研究科には学部生の時代から御世話になっていますので、何年目かをすぐには思い出せなくなるぐらい、はからずも長いお付き合いとなっています。専門分野は確率論で、特に相転移を含む確率モデルの問題や、不均一な空間上のランダムウォークの性質などが現在まで主に取り組んできた研究課題です。フラクタルや電気回路など幅広い対象との意外な繋がりがあり、一方では技術的に割合地味で地道な議論を多く必要とするテーマだとも感じています。 学生時代は将棋部にも籍を置き、そこから学んだ視点や考え方には数学に相通ずる要素も含まれています。今後も様々な機会の中で新しい研究に向き合ったり、学んだ事を還元していければと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 中岡 宏行 特任助教

2009616日より、特任助教として当研究科にご採用頂きました。日増しに東大での研究・教育に携われることに嬉しさを感じています。また現在、東大数理での代数幾何学セミナーの担当をさせて頂いており、大変貴重な経験を与えて頂いたことに感謝し務めています。一人の教員としての自覚をもって学生の演習に臨む一方で、「社会」に出たばかりの研究者として自らの研鑽・精進を重ねていかねばならない、そうした二面性に様々な思いが交錯しますが、気合いを入れて業務に励みたいと構えています。専門は代数で、面白い構造をもつ対象のための一般論構築を目指しています。そのため、動機の多くは代数幾何からですが、用いる手法は純圏論的なものです。Monoidal圏・Abel圏や三角圏などに加え、2-圏やDG-圏といったenrichされた圏も今後は使っていきたいと考えています。数学的に「何か新しいもの」「何か楽しいこと」を実現したいと日々画策しています。浅学の為、未だに深い結果は出せずにいますが、業績を重ねていくことが自らのステップアップにつながると信じます。東大数理在任中に、諸先生方、お世話になる職員の方々からできるだけ多くのことを学ばせて頂きたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。


 

新任紹介(職員)

:news2009-1.files:leaf3.jpg 矢冨 幸枝 総務副課長

平成18年7月1日付で数理から教育学部附属中等教育学校(中野)に異動しましたが、また、2年9ヶ月ぶりに戻って参りました。前勤務先は、中高一貫校で、13歳から18歳の学生の声に囲まれて仕事をしておりました。成人ばかりの静かで、落ち着いた数理に戻り、懐かしさを感じてます。これからも、教育・研究のため微力ですが、少しでもお役に立てるよう努力したいと思います。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 田村 啓子 総務係長

7月1日付で、総合文化研究科留学生から数理総務係にまいりました田村啓子と申します。業務はまったく初めて見聞きすることばかりで、緊張と不安の日々を過ごしております。いたらない点ばかりですが、早く慣れたいと思いますので、ご指導のほど宜しくお願いいたします。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 白石 喜美子 事務補佐員

31日からジャーナル編集担当をさせて頂いております。 以前、長く先端研と本郷の工学部で働いていたことがありますので、久し振りにまた東大にくることができまして、たいへんなつかしい思いがいたします。どうぞよろしくお願「申し上げます。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 三上 福子 事務補佐員

41日より主任室に採用になりました、三上福子と申します。主に玉原国際セミナーハウスの事務をさせていただいております。 まだまだ、不慣れで皆様に教えていただくことばかりです。精一杯頑張りますので、よろしくお願いいたします。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 越智 幸子 事務補佐員

はじめまして越智幸子と申します。この度、4月から大学院数理科学研究科・総務係に勤務になりました。担当は科学研究費です。忍耐力・ガッツ・笑顔で頑張りますので、どうかよろしくお願い申し上げます。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 町井 里会 派遣職員

5月1日よりグローバルCOEの事務補佐員としてお仕事させていただいております。 ご迷惑をおかけしているかと思いますが、皆様のお役に立てるよう頑張りますので、どうぞ宜しくお願いいたします。


:news2009-1.files:leaf3.jpg 中村 六郎 総務課用度員

316日付で数理総務課、用度員に採用されました、中村六郎(六さん)と申します。建物、設備等で、困っていることがありましたら、声をおかけください。皆様のお役に立ちたいと思います

 

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退職された先生方からのメッセージ

 

桂 利行

17年間の東大数理での勤務を終えてほっとしています。最後の7年間は副研究科長、研究科長の務めとして数理科学研究科の将来を考え、バランスのよい研究科となるように教育研究環境を整え、設備にも気を使ってきたつもりですが、構想だけで実現しなかったこともあり、その点は心残りに思っています。特に3期棟の建設は実現したかった。小さなことですが、自転車置き場の屋根の設置は故堀川教授の提案を実現したもので、副研究科長としての最初の仕事だったので印象に残っています。多くのよい友人に恵まれ事務の多くの方々にサポートしていただき、ほんとに充実した年月でした。この間サポートしてくださった多くの方々に深く感謝いたします。大学院数理科学研究科のますますのご発展を祈念し、応援しています。

 

菊地 文雄

長い間お世話になりました。東大在職中に、在来の数学会、機械学会などの他に、応用数理学会、計算工学会、IACMICIAMなど計算数理、計算工学関係の組織が設立され、地域的拡大も伴い、南極大陸以外の全大陸で一度は研究発表することができました。他方、国内では数学の応用面の発達が必ずしも十分でないことは残念ですが、今後は数学が偶発的に応用されるだけではなく、一見非数学的な様々な問題の中から、時には他から依頼された問題の中からも、数学の問題を積極的に掘り出し、それを何らかの意味で解決することが大切と思います。私も微力ながらお手伝いはいたしますので、皆様の奮起を期待する次第です。

 

神保 道夫

梅林のヒマラヤスギの向こうにかかる下弦の月を見ながら帰途につく暮らしを振り返りつつ、赴任して以来いつのまにか9年間が過ぎていました。数理の皆様方にはいろいろな形で本当にお世話になりました。ありがとうございました。紋切り型で恐縮ですが、一層のご発展をお祈りします。

 


研究ニュース 

pHodge理論p進表現の研究 (PDFファイル
第5回(平成20年度)日本学術振興会賞、および第5回(平成20年度)日本学士院学術奨励賞受賞 辻 雄 准教授

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数理トピックス

 

平成21317日(木)  駒場ファカルティハウスにて懇親会が盛大に行なわれました。

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平成21323日(月)修士課程・博士課程学位記伝達式が数理科学研究科大講義室で行われました。

  平成20年度修士課程修了者 : 43
  平成20年度博士課程修了者 : 16

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平成2143日(金)修士課程・博士課程入進学式が大講義室で行われました。

  平成21年度修士課程入学者   : 39名  
  平成21年度博士課程入進学者 : 22

 

平成20424日(金)コモンルームにて春の懇親会が行われました。大勢の学生、教職員の方々が参加され、賑わいました。

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平成21610日(水)教職員・学生が参加して環境整備が行われました。

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平成21723日(木)

  数理アネックス棟のお披露目が行われました。    

  グローバルCOEプログラム「数学新展開の研究教育拠点」のための数理アネックス棟 が完成しました。教養学部の温かいご理解とご支援のおかげにより、駒場第1キャン パスの教育研究環境がいっそう充実することになりました。矢内原公園内の閑静な 「森の中の研究所」は若手研究者のオフィススペースになります。さらに中央部には コモンスペースが設けられ、カジュアルなディスカッションができるようになってい ます。伝統ある数理科学研究科の充実したリソースが容易に活用できる一方、適度な
距離を保つことによって若手研究者が独立して研究できる環境となりました。新しい 数学の芽が育つことが期待できます。 (グローバルCOE拠点リーダー 川又 雄二郎)                 

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平成21723日(木)

 コモンルームにて夏の懇親会が行われました。

 浴衣姿の人も見受けられ、雰囲気を盛り上げていました。

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<賞>

小澤 登高 准教授が2009年度日本数学会賞春季賞を受賞しました。

  業績題目:離散群と作用素環の研究

           

吉田 朋広 教授が第14回日本統計学会賞を受賞しました。

 

目次

編集後記

今回より数理ニュースを担当させて頂くことになりました。不慣れなため発行が遅れてしまいましたが、多くの方々に原稿やお写真を快く提供して頂き、感謝しております。(坂田)

 

広報委員会

委員長 吉田 朋広

数理ニュース編集局 坂田 その子

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